安川電機は、レーザによる切断・溶接用途向けに需要増加が見込まれる高精度軌跡ロボット「MOTOMAN―MC2000」=写真=を9月21日から発売した。価格はオープンで、年間120台の販売を計画。
レーザビームは、レーザ発振器からレーザファイバを介してワークに自由な位置・方向からレーザを照射することで、ワークを高速で切断・溶接ができる。
レーザビームの集光径は、数百ミクロンにまで小さくすることが可能で、高い精度でワークを加工することができる。
新製品のロボットは、このレーザ照射口をロボット先端に装備することで、立体構造のワークに対する高速・高精度な切断・溶接を行えるもの。今回特に、ロボットが高速動作する際に起こるアーム先端での移動軌跡のズレ・ブレを最小限にするために、ロボット本体の高剛性化とロボットコントローラによる振動・たわみなどの補整機能により、アーム先端移動速度10メートル/分での直線移動精度〓〓0・15ミリ以下、またアーム先端移動速度5メートル/分での直径5ミリ円形動作の真円度〓〓0・15ミリ以下と、同社従来機種比2倍の性能向上を実現し、速く・精確・スムーズに動作できるように改良した。これにより、アーム形状の変更、減速機の大型化、モータ出力のアップ等につながる。
また、アーム先端の可搬質量は30キログラムで、照射口自体にレーザの方向を変えられる機構を持っていることから、通常のレーザ照射口に比べ質量が増えるリモートレーザヘッド搭載時でも、最大可搬質量50キログラムまで装備可能と、余裕の可搬質量で、複数のレーザ加工方式に対応している。
さらに、複雑な立体形状のワークに対してレーザ照射方向を一定に保ちながら切断・溶接を行えるロボットコントローラは、レーザ発振器に対し、速度変化に同期してレーザ出力制御を行っており、高速通信機能および出力制御機能も装備している。
主な用途は、新素材採用でロボットのスポット溶接などの自動化が進んでいる2輪・4輪車向け部品など。