工場やビル、マンションなどに必要な受配電盤は建設会社と密接な関係にある。
建築物の元受である建設会社から電設工事会社を経由して受配電盤が発注されるケースが多い。
そのため、受配電盤メーカーにとっては、受注を左右する取引先の建設会社の動向を注視せざるを得ない。
受配電盤・制御盤メーカーは全国に約1200社以上存在するものと推定されているが、大半が地元の建設会社、電設会社との取引が主体である。それだけに、政府の地域建設業に対する育成策に期待が寄せられている。
政府が先月9日に「公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針」(適正化指針)の一部変更を閣議決定したのを受け、国土交通省は公共工事における入札契約の適正化を地方自治体や関係機関に要請した。
その中で緊急に措置に努めるべき事項として(1)地域維持型契約方式(2)ダンピング対策の強化(3)予定価格等の事前公表の見直し(4)予定価格の適切な設定(5)一般競争入札等の活用に必要な条件整備(6)総合評価落札における手続きの合理化及び透明性の確保などを挙げている。
地域維持型契約方式に関しては、「地域維持事業を担ってきた地域の建設業の減少・小規模化が進んでおり、このままでは(社会資本の維持管理等)事業の円滑かつ的確な実施に必要な体制が困難」として、「入札及び契約の方式においても担い手確保に資する工夫が必要」といい、地域建設会社への配慮を求めている。
そのうえで、「地域の実情に応じ、適正な予算執行に留意しつつ、複数の種類や工区の維持事業をまとめた契約単位や、複数年の契約単位などにより、地域精通度の高い建設業者で構成される建設共同企業体などを実施主体として活用する地域維持型の契約方式を適切に活用すること」としている。
緊急措置のほか、留意事項として(1)前払金・中間前払金の導入・拡大(2)工事請負代金の支払手続きの迅速化(3)地域建設業経営強化融資制度等の普及・拡大の促進をあげて、地域建設業の維持に取り組む。
なお、11月1日から30日までを「建設業取引適正化推進月間」として、集中的に法令遵守活動を実施する。