今年度の民間企業の建設投資は東日本大震災で落ち込んだものの、その後徐々に回復傾向にある。
10~12月の第3四半期は、賃貸住宅・社宅などの住宅が前年同期比で倍増の勢い。
事務所や店舗なども、2割以上の伸びが計画されている。製造業では建設投資は依然悪いが、機械投資で2割弱の伸びが予測されている。
建設物価調査会が6月時点で調査した民間企業建設・機械投資動向によると、第1四半期実績見込み(土地を除く)は1兆4278億9700万円、第2四半期計画が1兆7112億500万円、第3四半期計画が1兆6386億1300万円となっている。
それぞれ前年同期比でマイナス7・4%、同7・2%、同0・3%と回復傾向にある。
このうち、機械投資は第1四半期が9669億3300万円、第2四半期1兆1602億3700万円、第3四半期1兆801億3500万円で、それぞれマイナス6・6%、同6・4%、プラス1・8%の計画である。
製造業が牽引し機械投資は10月以降、プラスに転じる。非製造業も、前年同期比マイナスの幅を縮小させる。
一方、建設投資では第1四半期が4609億6400万円、第2四半期5509億6800万円、第3四半期5584億7800万円で、それぞれマイナス9・0%、同8・6%、同4・2%と期を追うごとに上向いている。
第3四半期は、賃貸住宅・社宅等住宅が前年同期比109%と大きく伸びる計画。
また、非住宅でも事務所・店舗などが22%増加し、逆に工場・倉庫などはマイナス16・5%と低調である。
この結果、建設投資では賃貸住宅・社宅等、事務所・店舗が増加し、製造業では建設よりも機械設備に投資が振り分けられている。
なお、調査は資本金1億円以上の1861社からの回答を集計したもの。