産業用トランスメーカーの相原電機(大阪市平野区瓜破4―2―32、〓06―6707―3456、城岡充男社長)はこのほど、直線状の給電線からコイルへ非接触給電する「非接触給電システム」を開発。現在、製品実用化に向けての開発パートナーや協業先を求めている。
非接触給電システムは、古くはニコラテスラの実験から始まり、これまで無人搬送機やシェーバー、電動歯ブラシ、携帯電話などの分野で実用化されてきた。最近では電気自動車の給電装置などの分野において、実用化に向けた開発が行われている。
同社が開発した非接触給電システムの主な原理は、トランスと同じように電磁誘導作用によるもので、1次側コイルと2次側コイル間を空中で磁気的結合し、電力を伝送するもので、数十kHz帯の周波数を使用している。
特徴は、無接点・非接触で、1次側と2次側コイルを30センチから50センチ近づけると通電し充電できる。充電の露出部を完全になくすことができ、火花が発生せず安全で、水や塵埃に強く、摩耗することがない。容量は30Aまで可能である。
電源コイル側と受電側コイル(1次側と2次側)の位置関係に自由度があり、床、天井への設置や、壁埋め込みも可能。さらにプラスチックやガラス越しでも送電が可能である。さらに非接触なのでメンテナンスも楽である。
実現可能な応用例では、駐車場などで1台の電源を使用し複数のコイルに送電することで、複数の電気自動車を同時に充電することが可能。また、クリーンルームの無人搬送車や、走行クレーンのように移動中に受電しなければならない機械でも、走行中に非接触で給電することも可能。
同社では現在、同システムの特許を申請中で、製品の実用化に向け開発パートナーや協業先を求めている。