同社のインバータ事業は、東日本大震災の影響を受けることなく生産を継続した結果、「国内の主要カスタマー向けでは売り上げが10%アップしている。主要10分野での新規開拓効果で5%、震災に伴うシェア拡大で5%それぞれ売り上げが伸びている」(善家充彦理事・インバータ事業部長)。
海外も米国、カナダ市場で、省エネ政策の推進に伴うHVAC(空調機器)向けに新製品を投入していることもあり拡大を見せ、中国も堅調な動きを継続している。
この結果、「全社の生産台数も10年度の年産160万台から、11年度は過去のピークである164万台を超えて200万台に達する」(善家事業部長)見通し。
特に中国は現在の年産30万台から倍増の60万台に、今年4月から生産を開始したインドも倍増の年産4000台体制にしていく。
同社では昨年12月、インバータ事業部に「電気駆動システム事業統括部」を設け、EV(電気自動車)向けインバータの販売を強化している。当初は自動車ごとに専用での対応を計画していたが、「ユーザーごとにモディファイできるように、基本的なプラットフォームをそろえ、建機や工事用といったいろいろな車両にも対応できるように方針を変更した」(善家事業部長)。現在、電気で40~120kW、回転数で8000、1万、1万2000の基本部分を標準化し、ユーザーの仕様に合わせて提供していく。
3領域で事業強化
善家事業部長は「ソーラーや風力などの新エネルギー関連、電気駆動システム、汎用インバータの3つの領域でインバータ事業の強化・拡充を進める」と、今後の方向性を語っている。