タイの洪水日糸制御関連企業にも被害

タイの大雨に伴う浸水被害は日系企業の生産にも大きな影響を与えている。自動車、電機・精密、素材関連での被害が広がる中で、制御関連企業でも被害が出ている。14日現在で判明している制御関連の状況は次の通り。

日東工業のタイ子会社が操業停止

【名古屋】日東工業の100%出資子会社で、タイ・アユタヤ県でブレーカの製造、販売を行っている「エレット(タイランド)」は、操業を停止している。

同社が入居しているロジャーナ工業団地にも被害が及んでおり、同工業団地のすべてのゲートで封鎖措置がとられている。

これにより、工場は操業を停止しているが、同工業団地への立ち入りが困難であることから、工場内の詳細な状況は把握できていない。しかし、人的被害に関する報告はないという。

同工場の延べ床面積は9890平方メートル、ブレーカを年間28億円の規模で生産している。

豊電子工業のタイ子会社は通常操業

【名古屋】豊電子工業(愛知県刈谷市一ツ木町5―12―9、〓0566―23―2301、盛田豊一社長)のタイにおける子会社「ユタカ・ロボット・システムズ(タイランド)」は、洪水の影響は受けておらず、通常通り操業している。

現在のところ、水害の影響はないが、上流のダムの状況などにより、被害が出る恐れもあるということで、土のうを用意しておくように勧告が出されたという。

同社はバンコク郊外のアマタ工業団地にあり、敷地面積が約5000平方メートル、建屋面積が約1000平方メートル。

日本の自動車、電機メーカーの現地法人を対象に、各種生産ラインの自動化システムの設計・製造、産業用ロボットシステムの製造・販売・保守を行っている。

パナソニック電工、リレーなどの生産操業停止。再開のメド立たず

パナソニック電工は、タイのナワナコンとアユタヤに子会社・工場がある。

パナソニック電工タイのナワナコン工場(タイ・ナワナコン工業団地内)は、リレーなどの制御部品と、ドライヤー、カミソリなどの小物美容製品を生産しているが、10日から操業を停止している。

同工場から16キロメートル先の川が決壊し、11日以降も水位が上昇しており、地元の県知事の要請で従業員は全員退避している。現在、バンコクにある同社の販社に対策本部を設置し、情報の収集にあたっているが、操業再開のメドは立っていない。

こうした状況から同社では、中国を含むアジア地域のほかの工場で、一時的にリレーの代替生産を行うことを検討中である。

一方、パナソニック電工アユタヤのアユタヤ工場は、照明器具、配線器具、電子材料の生産を行っているが、こちらは9日から操業を停止している。

9日から浸水が始まり、10日夜には2・5メートルまで水位が上昇、同工場は1階が水没状態になっている。

オムロン、タイ中北部地区で車載用電子部品の生産停止

オムロンのタイの100%子会社、オムロンオートモーティブエレクトロニクスの工場(アユタヤ・ロジャーナ工業団地)は、車載用電子部品の生産と操業を停止中。現時点で従業員に人的被害はないもようで、今後の復旧に向け情報収集と対策にあたっている。

オートメーション新聞は、1976年の発行開始以来、45年超にわたって製造業界で働く人々を応援してきたものづくり業界専門メディアです。工場や製造現場、生産設備におけるFAや自動化、ロボットや制御技術・製品のトピックスを中心に、IoTやスマートファクトリー、製造業DX等に関する情報を発信しています。新聞とPDF電子版は月3回の発行、WEBとTwitterは随時更新しています。

購読料は、法人企業向けは年間3万円(税抜)、個人向けは年間6000円(税抜)。個人プランの場合、月額500円で定期的に業界の情報を手に入れることができます。ぜひご検討ください。

オートメーション新聞/ものづくり.jp Twitterでは、最新ニュースのほか、展示会レポートや日々の取材こぼれ話などをお届けしています
>FA・自動化、デジタル化、製造業の今をお届けする ものづくり業界専門メディア「オートメーション新聞」

FA・自動化、デジタル化、製造業の今をお届けする ものづくり業界専門メディア「オートメーション新聞」

オートメーション新聞は、45年以上の歴史を持つ製造業・ものづくり業界の専門メディアです。製造業DXやデジタル化、FA・自動化、スマートファクトリーに向けた動きなど、製造業各社と市場の動きをお伝えします。年間購読は、個人向けプラン6600円、法人向けプラン3万3000円

CTR IMG