オムロンは、カメラと画像処理をコンパクトに一体化し、高速ネットワークEtherCAT通信に対応する位置決め用視覚センサ「Sysmac
FQ―Mシリーズ」を発売した。価格はオープン。
従来、製造業ラインにおける位置決めアプリケーションは、対象物をいったん静止させ、画像処理によって位置情報を得て制御が行われていたが、近年は生産タクト向上のため、対象物を止めずに位置決めアプリケーションを行うニーズが高まっている。
FQ―Mシリーズは、撮像時の対象物位置を特定するエンコーダパルスを直接取り込めるエンコーダ入力機能と、EtherCAT通信の搭載により、対象物が動いている状態で位置決め制御を実現した。
対象物の座標値だけでなく、その撮像タイミングをエンコーダ値として取得し、これらの情報をEtherCATで後段機器に伝達でき、正確な位置情報を高速伝達し、高速で高精度な位置決め制御が可能。
複数の対象物を高速かつ安定的に検出する形状サーチ機能を搭載。製造ラインにおけるピック/プレースのアプリケーションで、散在した状態の対象物を毎分5000個検出(同社実験データ)する高速性を実現。
対象物の部分的隠れや照明条件の変動、大きさのバラつきなどの影響を受けずに検出できる安定性も実現。ピッキングミス削減に貢献する。
FQ―Mシリーズの設定は、7月に発売した統合ソフトウェア「Sysmac
studio」により、立ち上げなどを効率化する。
各種設定のほか、センサ入力からマシンコントロールなど、装置設計に必要な各種プログラミングやネットワーク設定、モニタリングなどを1つのソフトウェアで可能にしており、顧客の操作習得時間を最小限に抑えるとともに、装置の管理が効率化できる。
同シリーズと同社のマシンオートメーションコントローラ「NJシリーズ」とは、EtherCATで簡単に接続が可能で、接続するロボットコントローラの受信データ配列に合わせ、同シリーズの出力フォーマットを自由に変更できるプログラマブル無手順出力機能も搭載。コントローラとの接続が簡単に行える。