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序論
2006年、PLCopen第5技術委員会(安全)の委員は、安全仕様第1部(概念とファンクションブロック)をリリースしました。この第1部と対応する正誤表を用いれば、安全側面は、ソフトウェア開発ツールで統合しているアプリケーションツールに取り込むことができます。これは、開発者とユーザが開発サイクルの初めからシステムへの安全関連機能を統合するのを助けます。また、それは独立した安全関連組織から安全側面の総合的な理解、認証、および承認に貢献します。
この安全仕様の第1部は機能の実装者に焦点が当てられていますが、PLCopenは、OEMなどが安全機能を彼らの機械のアプリケーション・ソフトウェアに加えるのを助けるためにより多くのことをする必要があると認識しています。このため、PLCopen第5技術委員会(安全)が第2部(ユーザ応用例)を続けて作成しました。
この第2部は、PLCopen機能のユーザを対象としており、実世界アプリケーションで定義済みのファンクションブロックの使いやすさを示します。PLCopenの安全機能は、関連したシステム・インテグレータだけでなく構築している機械産業をも対象にします。
1つの環境におけるロジック、モーション、安全の融合は、1つの環境の範囲内でユーザに全体のアプリケーションの調和した見方を提供します。そして、これは、多様な実装とともに異なるプラットフォーム間でも有効です。これは、より少ない教育で得られる効果と異なる制御の間の知識とアプリケーション・ソフトウェアのより簡単な移行を意味します。また、それはしばしばエラーと追加費用の原因となる『not‐invented‐here(独自技術)症候群』に取り組みます。検証済みの機能と機能のサブセットによる言語定義を含むプログラミング環境のサポートを用いれば、人は簡単に試運転のために安全関連アプリケーションプログラムを作成することができます。これで、安全関連機能の受け入れと使用法への大きな貢献がなされます。
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概要
本章は、初めに2006年に公式リリースされた『PLCopen-第5技術委員会-セーフティソフトウェア―技術仕様書
第1部:概念及びファンクションブロック』で定義している安全機能の概要を簡単に説明します。開発環境のための概念と同様に、ファンクションブロックの機能説明の完全な仕様は、第1部と対応する正誤表を確認することとします。応用例の理解を容易にするために以下の概要を述べます。
2.1.安全計画の作成
安全計画は、機械上でプログラマブル電子系(PES)による安全機能(SF)の実現のために必要とされるすべての業務のための支えとなります。
本段階の目的
PESでSFを実現させるとき、機械指令は決定論的手順を必要とします。これは安全計画のすべての業務の文書化を含みます。
・機械の危険分析とリスクアセスメントとSFの設計と実現から妥当性確認まで
SFの実現の各段階で安全計画をいつも更新しなければなりません。
手順―以下のトピックスと業務は安全計画に記録されます。
・すべての活動の計画と手順がSFの実現に必要です。例:
・安全関連の制御機能の仕様の開発
・PESの設計と統合
PESとSFの妥当性を確認します。
・PESユーザドキュメントの準備
・SFの実現に関するすべての関連情報のドキュメント(プロジェクト文書)
・機能安全を達成するための戦略
・すべての業務の実行とレビューに対する責任
(筆者:廣前耕三PLCopenJapanSafety‐WG主査)
(次回は11月16日掲載)