ロームは、電気自動車やハイブリッド車、産業機器のインバータ駆動向けに、225℃という高温で動作可能なSiC(炭化ケイ素)パワーモジュールを開発した。
樹脂の物性値とモジュール構造の最適設計により、225℃の耐熱性と小型化を実現し、トランスファーモールド型で225℃での大電力動作を世界で初めて可能にした。
現在のSiデバイスを使用したモジュールと同様の小型、低コストのパッケージングが可能となり、今後、SiCモジュールの普及に寄与していく。
同社は、同モジュールにおいて600V/100Aの3相インバータで、同社のSiC―SBD(ショットキー・バリア・ダイオード)、SiC―トレンチMOSFETを、各6素子搭載した600V/100Aで、225度までの駆動を確認した。
同モジュールは、1200Vクラスまで搭載可能で、従来のSi―IGBTモジュールと比べ、大幅な損失低減と体積比で50分の1という小型化を可能にするとともに、これまでのケース型SiCモジュールと比較し、大幅なコストダウンも可能となった。
同社では、3~4年後の実用化を目指し、ゲートドライバICを搭載したIPMについても、この技術を用いてトランスファーモールドDIPタイプで高温動作が可能な、600V/50AまでのSiC搭載IPMを今後開発していく予定。