分岐点

官庁の文章には行間の含みが多く、難解である。経済産業省が今月発表した地域経済産業調査結果は「地域の景況は、持ち直しの動きが見られる」と安心させつつ「為替動向、電力供給制約、海外景気動向など、先行きには景気が下振れするリスクがある」と添えることも忘れない。

今後どう景気が転んでも当たる書き方は、さすが。そして、景況判断の「矢印」は全国10地域全てが斜め上を向いている。前回の6月時点の矢印は全て斜め下向きであった。このV字は、大震災後いつまでも俯いていないで上を向こう、増税環境も整った、とも読める。

FA駆動・制御業界の実態は、4~6月は業績矢印が上向き、7月以降、生産拠点の再編成に伴う需要が一部にあるものの、斜め下向きである。内需の減少はもとよりEU、中国、韓国、台湾向け輸出も減少している。経済産業省の調査結果と異なり、逆の動きである。

「暗」の後に「明」が出る。漁船向け配電盤、制御装置、電動機、照明などの受注が急増しているという。全国湾岸沿いの再整備、海岸沿いの生産移転などの投資が始まり出した。新たな列島改造構想が具現化すれば、内需の矢印が上向き、FA業界も恩恵を受ける。

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