ジェルシステム(東京都世田谷区松原3―40―7、〓03―3328―6211、星本正義社長)は、最大電力消費量を監視・制御する高性能電子デジタル開閉器を発売しているが、電気基本料金の削減が可能なことから福島原発事故以来、動力機械を使用している事業所向け受注が大幅に増加している。
高性能電子デジタル開閉器は、最大電流を監視し、CPU制御により従来のブレーカでは不可能であった最適最小定格電流の設定を可能にしたもの。
低圧電力の契約を負荷設備契約から、より契約容量の小さい主開閉器契約に変更して、大幅な電気基本料金の削減を実現する。
現在、基本料金は契約容量(kW)×基本料金単価×力率割引の合計で決定されている。契約容量に関しては、負荷設備契約と主開閉器契約(ブレーカ契約)の2通りがある。
ほとんどの事業所が負荷設備契約となっている。そのため、機械の稼働状況、使用電力などに関わらずモーターなどの設備容量の最大値で契約されている。
一方の主開閉器契約は、設備容量に関係なく、実際に機械の稼働時にブレーカに流れる電流値をもとにし、ブレーカの大きさで契約容量を決定する。同社のデジタル開閉器を採用すると、契約容量を実測電流値の平均値に設定するため、契約容量を小さくできる。
同社によると、コスト削減率は平均40%という。ただ、契約電力変更に当たり電力会社への申請および電力会社の確認検査が必要になる。
同社のデジタル開閉器の昨年度販売実績はビルや工場、立体駐車場、ガソリンスタンド向けに8904台に達したが、“節電"だけでなく“電気料金の節約"に取り組み出した事業所が増えており、今年度はさらに伸長するとみている。