国土交通省は来年度の概算要求をまとめた。規模は一般会計予算5兆1061億円(前年度比2%増)である。このうち、過去2年間は予算が削減された公共事業予算は4兆4837億円(同5%増)。日本再生重点化措置として6577億円を要望している。また、別枠に東日本大震災からの復旧・復興対策経費1兆1098億円を計上した。
概算要求の基本方針は、東日本大震災からの復興、全国の防災対策の強化、持続可能な社会づくり、成長戦略の推進などに重点を置いている。
主なものは次の通り。
▽大震災復興(1兆1098億円)=安全性確保のための集団移転、市街地基盤の再整備、復興拠点の整備支援などを推進し、「低炭素・循環型社会の構築」をモデルケースとすることにも配慮する。
▽全国の公共施設の耐震化・津波対策等の推進(2302億円)=水門等の自動化・遠隔操作化、自家発電施設の充実、港湾施設の整備、鉄道施設の防災対策、官公庁施設の耐震性確保など。
▽予防的な治水対策の強化、河川管理施設の戦略的な維持管理・更新の推進(2969億円)
▽住宅・建築物の安全確保(105億円)=建築物の耐震化・防災対策、津波避難ビルの整備など。
▽住宅・建築物等の省CO〓対策・省エネ対策の推進など(270億円)=官庁施設の新築において、再生可能エネルギー・省エネルギー・節電技術の活用でゼロエネルギー化を目指した整備をモデル的に実施するなど。
▽低炭素・循環型のインフラ整備と地域づくりの推進(305億円)=複合一貫輸送ターミナルの整備、洋上発電施設の安全性研究開発、再生可能エネルギー発電施設等の整備など。
▽スマートシティの形成(19億円)
▽国際コンテナ・バルク戦略港湾等の整備(1356億円)=阪神港、京浜港のコンテナターミナルの整備など。
▽首都圏空港の強化(118億円)=同時並行離着陸方式に必要な監視機器の整備など。
▽都市の国際競争力の強化(95億円)=インフラ整備の支援など。
▽大都市圏環状道路の整備(1269億円)
▽社会資本整備総合交付金の効果的な活用(1兆8356億円)=低炭素・循環型社会の構築、産業空洞化の防止と企業立地の促進、災害リスクの低減などのインフラ整備で、国と地方公共団体のパートナーシップにより推進するものに対し、重点的に配分する。