広島県は、素材型産業から組立産業まで一貫生産を支える多種多様な産業集積がある。現在でもトップシェアを誇る伝統的産業と、新しい発想による技術改良や新産業などが融合し、多様な工業が発展している。
これら工業の発展を支えてきたものは、異業種同士の共同技術開発を可能にする企業や研究機関のチームワークにある。広島県は、高度な技術が蓄積された重層な産業構造となっており、現在では、大企業から中小企業、ベンチャー企業に至るまで個性的な企業や技術が集まっている。
さらに、地場産業からハイテク産業まで、専門領域でキラリと光るナンバーワン企業やオンリーワン企業が多く集積しており、新産業の原動力となる貴重な人材・技術・ノウハウを数多く蓄積している。
この蓄積は、技術革新や事業の拡大に必要な交流を可能にしており、企業間の技術提携や共同開発、さらに新規産業創出へとつながっている。
08年の経済産業省の工業統計調査では、広島県の従業者数4人以上の事業所を対象とする業種別製造品出荷額は、全出荷額10兆2935億円のうち、輸送機械2兆8515億円(27・7%)、鉄鋼1兆6999億円(16・5%)、生産用機械8072億円(7・8%)、情報通信6298億円(6・1%)、電子・デバイス6138億円(5・9%)、食料品5507億円(5・3%)となっている。
同じく業種別従業者数は、全従業員数22万32人のうち、輸送機械5万114人(22・7%)、食料品2万6140人(11・8%)、生産用機械2万2220人(10・0%)、金属製品1万4656人(6・6%)、鉄鋼1万1522人(5・2%)となっている。
同じく業種別事業所数は、全事業所が6157で、金属製品810(13・1%)、食料品705(11・4%)、生産用機械687(11・1%)、輸送機械622(10・1%)、繊維508(8・2%)、印刷関連296(4・8%)、家具・装備品275(4・4%)、その他2254(36・6%)となっている。
最近の動向では、事業所数は2年連続で減少、従業者数は3年連続で減少にあるが、出荷額は2年ぶりに増加傾向を示しており、広島経済の復調ぶりを示している。