2県広島県岡山県の産業概況を見る 岡山県中四国の物流拠点全国有数のIT先進県

岡山県の産業は、陸海空の交通基盤や、岡山情報ハイウェイを基軸とする高度情報通信環境を整備したことなどを背景に、物流やITの分野において順調な発展を続けている。さらに、高い技術を持つ数多くの中小企業が活躍しており、将来にわたって発展し続けるポテンシャルを十分に備えている。

岡山県は、早くから中四国の物流拠点として機能している。近年では瀬戸大橋をはじめ、縦横に伸びる高速自動車道など陸上交通のインフラが整ったことから、岡山市を起点とする2時間交流圏人口は1640万人に及んでおり、こうした物流面における優位性を背景に、倉庫面積では中四国で最大となっている。

特定重要港湾の指定を受けた水島港の2001年の貨物取扱量は全国第6位であり、国際ターミナル港としての整備も進んでいる。岡山空港は県管理の空港として全国唯一の3000メートル滑走路を有しており、国際航空貨物量は高い伸びを示している。さらに、岡山県は水島工業地帯に代表される工業県でもある。

水島工業地帯は、石油、化学、鉄鋼、輸送用機械など幅広い分野にわたるコンビナートを形成している。加えて県内には繊維、耐火物、食品などの地場産業をはじめ、機械金属関連を中心に高い加工技術を持つ中小企業が数多く存在する。

水島工業地帯の製造出荷額の業種別割合では、石油32・9%、輸送23・6%、鉄鋼18・5%、化学18・4%、その他6・6%となっている。

IT分野でも、岡山県は全国有数のIT先進県である。早くから県が率先して高速通信網を整備したこともあり、ネットワーク環境は全国トップクラス、ソフト系産業の伸び率は全国平均を上回っている。

参考までに、地域公共ネットワーク整備率上位5位を見ると、全国平均が52・2%で、1位岡山県97・5%、2位大分県93・2%、3位富山県83・3%、4位愛媛県81・4%、5位山梨県79・7%(03年4月現在)となっている。こうしたことから、08年度の岡山県の総生産は7兆9461億円(経済成長率は4・9%減)、1人当たり県民所得は266万2000円(8・8%減)、09年7月の岡山県の事業所数は8万9420、従業者数は90万3564人に達している。

岡山県の実質経済成長率は、01年度は全国平均を上回ったものの、バブル崩壊以降は全国平均を下回ることが多く、厳しい状況が続いている。その原因として、重工業に依存した産業構造からの転換が遅れていること、設備投資の低迷で需要面の成長が低下、さらにサービス産業の伸びが低いことなどが指摘されている。

こうしたことから、岡山県ではバイオ関連、超精密生産技術、医療・福祉・健康関連および環境関連を重点4分野とし、新産業・新技術の創出、育成に取り組んでいる。IT産業や物流については、それに特化したセクションを設け重点的に施策を展開している。

具体的に、明日の産業・雇用を創造していくため「岡山グリーンバイオ・プロジェクト」の展開や、ミクロものづくりの高度化、物流拠点性と水島企業などが持つ技術を活用した環境産業の展開、物流関連産業の国際的展開、IT関連産業の振興(先進的情報通信基盤の活用)などの個別戦略を推進している。

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