三菱電機は、尼崎地区(兵庫県)、和歌山地区(和歌山市)で、2020年の送配電網を想定したスマートグリッド/スマートコミュニティの実証実験設備の本格稼働を開始した。自社実証実験設備を活用し、電力基幹系から需要家までのプロセスの開発・検証を繰り返し行うもので、スマートグリッド/スマートコミュニティへの対応機器・システムを中心に、15年度に関連事業の売上高1兆3000億円を目指す。
実証実験では、スマートグリッド/スマートコミュニティのそれぞれの規模や条件、機器・システムの使われ方を想定し、4つの検証モードによる検証が可能で、需給制御システム、次世代配電制御システム、自動検針システム、エネルギー管理システムを使用した様々な実証実験に対応する。
同社ではこうした実証実験を通じ、スマートグリッド、スマートコミュニティ関連事業の15年度の売上高目標を、重電システムで10年度売上げ1900億円を2850億円に、家庭電器4530億円を7000億円に、産業メカトロニクス・情報通信システム・電子デバイスなどを合わせて1570億円を3150億円にする。
山西健一郎社長は、「工場に関する部分では、生産系とインフラ系の間で、いかに最適制御するかがポイントになるが、かなりの部分で製品化に結び付けられるだろう。20年に向け、スマートグリッド、スマートコミュニティ、さらに、スマートシティへと拡大させていきたい」としている。