産業(FA)用コンピューターは、信頼性、耐環境性、保守性を備えていることで、あらゆる分野で採用が進んでいる。
産業用コンピューターは、高温・多湿、油滴・水滴が飛び散るなどといった過酷な使用環境下でも、24時間連続稼働にも耐えられる製品を、長期間安定的に供給することが求められる。
耐環境性では、冷却方法の工夫、共振を防ぐ強い剛性のシャーシ、機密の流出を防ぐ高いセキュリティ構造、フィルターの目詰まり監視機能などで、どんな用途でも安心して使える設計となっている。
製品の傾向は、小型・薄型・軽量化、処理スピードの高速化、メンテナンス性の良さなど、使いやすさと設置制約をなくすための開発が著しい。
CPUの高速化も年々進むとともに、データ処理量の増加に伴い、メモリーモジュールの大容量化も著しい。
インターフェイスについても、増設コストを少しでも減らすために豊富なシリアルやUSB、拡張スロットを持つことが必要とされている。
また、Windowsだけではできないリアルタイム制御実現に向けて、制御部分はリアルタイムOS処理、それ以外はWindows
OS側で処理と、1台のパソコン上で実現する動きも強い。
さらに、産業用コンピューターの大きな特徴ともいえるRAS機能も充実している。
2段階ウオッチングドッグタイマ、ファン停止検出、内部温度上昇検出などの機能で、システムの動作診断、異常の早期検出・復旧支援を行い、万一の異常発生時にも、業務への支障を最小限に食い止めることができる。