産業の安全対策が進み、ものづくり現場の安全確保の観点から、制御機器における安全対策機器市場がグローバル規模で年々拡大している。
厚生労働省が発表した2010年の労働災害事故による死傷者数は、全産業で前年比2・6%増の8万4986人と増加。機械安全対策は、国際的な法律整備もあり、取り組みが急務になっている。
一方、安全意識の向上と安全対策機器の導入などで、ここ10年単位での労働災害死傷者数は減少傾向が続いている。
従来、日本の機械安全対策は欧米に比べると遅れていたが、01年に厚生労働省から出された「機械の包括的な安全基準に関する指針」により、工場など製造業での安全対策が大きく進むようになった。
さらに、06年に労働安全衛生法が改正、リスクアセスメントと必要な安全対策措置が努力義務と定義付けされ、07年には機械のリスクアセスメントの具体的な指針が改正された。
欧州の機械指令は、11年12月31日にEN954―1からEN
ISO13849―1へ移行される予定で、欧州に輸出する機械・装置の安全制御回路はISO13849―1〓2006への対応が求められる。
安全対策機器は、安全リレー、セフティドアスイッチ、セフティリミットスイッチ、非常停止用スイッチ、ソレノイド付き安全スイッチ、エリア/ラインセンサ、マットスイッチ、フットスイッチ、プログラマブル安全コントローラ、安全プラグなど多種多様で、最近ではハードウェアを中心としたメカニカル的要素から、ソフトウェアを含めた電子式の安全対策機器が増加している。