電気・電子機器を収納し、屋内や屋外において外部の環境から内部機器を保護するボックス・ラックは、工場、店舗、事務所などの設備に必要な製品として堅調な動きを見せている。特に情報機器を集積したデータセンター向けに熱対策を施したラックの需要が高まっている。
東日本大震災により、被害を受けた工場設備が多く、配電設備の工事が進んでいる。こうした機器を収納して保護するボックス・ラックの復興需要も見込まれている。
ボックス・ラックの材料には、スチール、ステンレス、アルミ、樹脂などがある。それぞれ機械的、電気的、熱的、化学的影響や湿度の影響に耐え得る性能を有している。
技術的には、特に軽量化、省施工、熱対策、防じん・防水性、耐震性、粉体塗装などが重要なポイントとなっている。
軽量化、省施工の利点としては、薄板などを使用した軽いボックスは、高所などでの施工性が高まる。
熱対策としては、屋外用では遮光板を設けて直射日光による温度上昇を抑えたり、扉やボディーに換気口を設け、放熱効果を高めたりしている。
用途別では、(1)配電・制御盤用、コントロール盤、計器盤などの盤用(2)電話・TV機器収納、通信機器収納用などの情報通信用(3)メーターボックス、電話端子収納などのプラスチック製ボックス(4)ケーブル接続用端子を収納する中継ボックス―などに分類される。
これらのボックス・ラックの使用分野は、電気の安定供給、情報通信・ネットワーク、システム制御など幅広く、今後も大きな伸びが見込まれる。