日本配電制御システム工業会(JSIA、盛田豊一会長)制御・情報システム部会(田原博副会長兼部会長)は、制御盤ハードウェア合理化に関する1次報告書を来年まとめる。最終報告書はユーザーヒヤリングを実施してニーズの把握、方向性を検証したうえで作成する。17日開催の技術セミナーで明らかにした。制御盤製作の合理化は経営基盤の強化につながることから、工業会の研究成果に大きな期待が寄せられている。
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制御盤ハードウェア合理化に関する研究はJSIA制御・情報システム部会が昨年から取り組んでいる新事業。第1ステップで1次報告書作成、第2ステップで最終報告書をまとめる。
第1ステップは、機器・部品・部材メーカーから国内外の製品、技術、規格など、盤メーカーから課題障害要因の明確化、不合理な規格、慣習、製品仕様などの情報を収集し、整理・検証、障害要因とその解決を図り1次報告書を来年中に作成する。
第1次ステップでは優先課題として、配線接続作業の合理化に関して取り組み、7月にネジレス(スプリング)端子台とネジ式端子台を用いた配線の工数測定検証実験を行った。その結果、内容を中間報告として技術セミナーで発表したが、工数低減の効果、ネジレス端子台使用のメリット・デメリット、課題などを明らかにし、端子台メーカーからの提案も採り込んでいる。
今後、電磁開閉器など配線接続点数の中位機器、PLCのI/Oユニットなど多点回路についてコネクタメーカーの情報収集、合理的な配線接続を研究し、コネクタの統一仕様を提案できるようにする。
第2ステップでは、機械メーカー、エンジニアリング会社、工事会社、大手エンドユーザーと意見交換し、規格の制定や改定提案も含めた盤ハードウェア合理化の最終報告書を作成する。
JSIAでは、ユーザーの理解を得る一方で、機器・部品・部材メーカーに仕様等を要請し、制御盤の省コスト技術を浸透させる。