紅葉狩りの時期が過ぎ、銀杏並木もめっきり寂しくなった代わりに、イルミネーションが灯り、別の楽しみを味わえる季節が訪れた。同じ状況がいつまでも続くことは、飽きさせてしまうのだろうか、それとも変化を求める習性からなのだろうか、絶えず変転を受け入れてきた。
ユーロ圏の金融不安、米国の財政赤字の影響を受けて、他国も経済成長が鈍化している。GDPに対する製品輸出比率の高い国は、欧米の金融動向に経済が大きく左右されることは、リーマンショックで実証済みである。現在、GDPに対して製品輸出比率が高い国は、香港、シンガポール、マレーシア、ベトナム、韓国の順である。
日本は11%、中国は24%で数字上は低い。が、額が大きいため貿易の変動による衝撃波は高く、景気が揺れ動く。ユーロ通貨危機の日本波及を最小限に止める手だてのひとつが産業構造の再構築投資である。四季折々を受け入れ、観賞に転じる力を持つ日本は、産業の入れ替わりもすんなりと許容できよう。
その芽は出ている。自然エネルギーの利用促進、スマート社会の構築、農作物の自動生産化などである。あとは育てるインフラ整備。そして、配電制御システム、駆動、制御機器市場にイルミネーションが灯る時でもある。