現場で複数の制御盤を接続したり、移設や交換する場合に、いちいち電線を端子台から取り外し、再取り付けしなければならない。その配線接続の手間を省く、従来にない新構造の端子台が登場した。
東洋技研と春日電機がシステムコントロールフェアで同時に初公開していたが、来場の配電制御システム技術者は工数削減できる新型端子台にかなり興味を持っていた。
製品名は、東洋技研がネジアップ式2ピース端子台「ATX―10」、春日電機は分離式端子台「TKS15」。
これらの端子台は、左右の極をカセット様に分離や一体化ができる2分割構造となっている。左右の極が分かれた状態を一体化するには、レールに取り付けてある方に組み込むだけで接続が完了する。電線を接続したままで端子台の取り付け・取り外しができるようになり、制御盤同士の接続が簡略化できるのがミソである。
工業用なので、両製品とも仕様は定格電圧600V、定格電流は東洋技研が16A、春日電機が15A、適合電線2〓。圧着端子使用。DIN35ミリレールへの組み込みタイプである。
両社製品はそれぞれ特徴を打ち出している。
分離した左右の極を一体化接続するときの誤挿入をなくすため、東洋技研製品は新開発の誤挿入防止構造を採用している。
下段端子台に誤挿入防止プレートを挿入し、同時に対になる上部端子台の突起をニッパーで切断することにより、正しい組み合わせでなければ端子台が挿入できなくなる仕組みである。
春日電機製品は着脱用レバーを指でつまんで分離する。
また、フィンガープロテクト構造を採用している。
これらの新構造の端子台は、制御盤接続の省力化と時間短縮に効果があることは間違いなさそう。