テレビを点けたら、PLC(プログラマブルロジックコントロール)という言葉が耳に入ってきた。その単語に惹かれNHK放映のドキュメンタリーWAVE「21世紀のサイバー攻撃の恐怖」に見入った。
核施設の遠心分離器に使われているPLCがサイバー攻撃され、プログラムが書き換えられた。モータの回転速度を上げ施設を破壊する狙いである。「Stuxnet」ウイルスによるものだが、もはや「情報を盗む」から「攻撃する」武器に化身したようだ。
米国が今年7月に発表のサイバー戦略計画書では、サイバーは陸海空に次ぐ第4の戦力と見なしている。すでに30カ国以上でサイバー部隊が配置されているという。サイバー戦争は空間上の見えない戦いだけに始末が悪い。人材さえ揃えばどの国でも部隊編成ができる。
発電所、自動車工場、鉄道信号管理システムなどが襲われ、膨大な損害を出している現状から、本紙でしばしば「制御システムのセキュリティ」を取り上げてきた。その筆者の村上正志IAF運営委員会幹事は「制御システムを目標にするStuxnetのサイバー攻撃に対し、防御できる制御製品へ成長させることが急務」と警鐘を鳴らしている。