山武は、プラントなどの地震対策に対応した緊急停止システムの販売を開始した。販売価格は300万円からで、初年度年間20システム。次年度同40システムの販売を予定。
新システムは、地震動による被害を推定するインテリジェント地震センサ「SES60」と、安全規格対応の三重化コントローラ「Triconex
GPTM」を組み合わせ、低価格で高信頼な地震緊急停止システムを実現した。
このシステムは、震度や加速度値だけでなく、建物の被害度との相関が強いSI(スペクトラム・インテンシティ)値をTriconex
GPに取り込み、三重化による多数決処理を行うことにより、誤作動が極めて少ない確実な自動停止処理を実現することができる。
また、Triconex
GPによりシステム全体の自動診断を行い、システムの信頼性を保つ。地震発生時の安全確保や設備装置の保護のため、プラントをいかに速やかかつ安全に停止させ、復旧させることができるかが課題となっており、従来からの運転員判断による手動でのプラント停止操作は、緊急時の停止判断が難しく、また大規模地震発生時にはプラント停止に失敗するリスクもあり、自動的にプラントを停止する仕組みが求められている。
1台の地震計で全プラントを停止させることはリスクがあるため、センサを各所に多数配置してプラントの運転状態や危険度、地盤状態からの被害発生度に応じた停止判断が必要で、かつ誤作動によるプラント停止を回避するために確実な自動停止をしなければならないなど、低コストで信頼性の高い地震計や自動停止装置が必要とされている。
同社ではこのシステムで、プラントユーザーのBCP(事業継続計画)に必要な地震対策強化を支援していく。