雷害対策機器メーカーの音羽電機工業は、毎年雷写真コンテストを主催(後援=冨士フイルム)している。「雷が写った写真」をテーマに、雷の実態を知ってもらうことを目的に開催されており、今年で9回目を迎えるが、このほど審査結果が発表された。
今回も海外を含む各地から多数の応募があり、厳正な審査を行った結果、グランプリには愛知県伊藤憲男さんの題名「稲妻炸裂」=写真=、金賞には宮崎県北ノ薗順一さんの「Anger
of
the
earth」、銀賞には岐阜県蜘手康介さんの「雷神・怒りの鉄槌」、銅賞には大阪府政近遼さんの「Paris」と、長野県関一也さんの「雲上の落雷」、そのほか佳作に10人が選ばれた。
また、応募作品の中で学術的に貴重な作品に対して贈られる学術賞には、東京都・鈴木将さんの「キルヒホッフの法則」と、奈良県・西川勝己さんの「巨人の下半身」が選ばれた。
審査委員は、東京大学生産技術研究所石井勝教授、電力中央研究所横山茂研究顧問、産学連携推進機構妹尾堅一郎理事長、プロダクトデザイナー喜多俊之氏、音羽電機工業吉田修社長の5人。
グランプリを受賞した伊藤憲男さんは「長年雷の撮影を続けている岐阜県恵那市で激しい降雨と雷の中、東屋の中で撮影していた。受賞した写真は、雨がほとんど止んだので東屋から出て撮影を始めた直後、凄まじい閃光と雷鳴に思わずしゃがみ込み撮った1枚です。今でもグランプリ受賞が夢のようで実感が湧いてきません」とコメントしている。
審査員の石井勝教授は、「学術賞の『キルヒホッフの法則』は、雲の下を横に伸びた放電路から、ほぼ垂直に負極性落雷が分かれて落ちたもので、このパターンは正極性落雷ばかりと思っていたので驚いた。『巨人の下半身』は、1本の負極性落雷放電路の下部が3つに分かれているのが珍しい」とコメントしている。
同社吉田社長は「たくさんのご応募をいただき感謝している。今回は、例年になく火山爆発と雷(火山雷)の写真が多いのが特色だった。応募する方々の年齢層が広範囲に広がっており、主催者としてコンテストの認知度が高まったものと喜んでいる。毎年感じることだが、自然のエネルギーの強大さと迫力に圧倒される」とコメントしている。