日本フェンオール(井口雅雄社長)は、工場・施設火災を初期段階で素早く検知できる高感度吸引式煙検知システム「SAS」の販売を開始した。価格は検知モジュール3万6750円(消費税込み)、吸引受信盤9万8700(同)。
従来の吸引式煙検知は、吸引機能を持つ受信盤に配管を接続し、その配管上に開けた穴(吸引口)より煙を吸引し検知する方式で、この方式は積極的に煙を吸引することにより通常の煙検知器より早く検知することができる特徴があるものの、火災の発生場所の特定が出来ず、また他の吸引口から煙のない空気を吸引することで煙が希釈され正確に検知できない問題があった。
新製品は、超小型煙検知部を内蔵した検知モジュールを開発したことで、モジュールごとにもつアドレス情報が煙発生箇所の特定を可能にした。また、検知モジュールごとに0・3~3%/メートルの範囲で個別に感度設定が可能で、1台の吸引受信盤に最大31台の検知モジュールを接続するで、複数箇所を効率的に監視できる。
さらに、検知モジュールごとに現在の監視状況や過去の履歴、アラーム値・プリアラーム値などの設定内容の確認やそれらを表示する機能を備えており、パソコンを接続することで防災センターなどから遠隔で操作・確認することも可能。
さらに、管吸引口による方式は煙のない空気も一緒に吸引するため煙が希釈され、安定した確実な検知ができないリスクを、吸引箇所ごとに検知部を備えることで、安定した確実な検知を実現した。