ロームは、タイの洪水で被害を受けていたグループ工場が生産を再開、1月1日から全製品全量の供給を再開した。同社グループがタイで生産していた製品は、LSI、トランジスタ、ダイオード、抵抗器、タンタルコンデンサの5品目。
昨年10月にアユタヤ県ロジャナ工業団地内の「ラピス・セミコンダクタ・アユタヤ社」、パトムタニ県ナワナコン工業団地内の「ローム・インテグレイテッド・システムズ・タイランド社」が、洪水により操業を停止、以後復旧に努めてきた。
ローム・インテグレイテッド社は、浸水を免れた2階、3階で稼働停止直後から設備の保全及び再稼働に向け復旧作業を進め、11月末からLSI、トランジスタ、ダイオード、抵抗器の一部生産を再開、その後生産量を順次拡大していた。
同時に「ローム・エレクトロニクス・フィリピンズ社」など、同社グループのほかの生産拠点での緊急投資や、生産能力の大幅な増強を進めることで、外注委託分も含め、顧客からの受注に対する全量供給確保を実現した。
一方、ラピスセミコンダクタ社は、工場建屋が平屋で、今後の洪水被害再発のリスクを考慮し、ラピスセミコンダクタ宮崎(宮崎市)など他拠点でLSIの代替生産準備を進めてきた。
さらに、他工場での代替生産を円滑に進めるため、顧客との間で工場変更の承認を得るなど、サプライチェーンの再構築に努めてきた。
なお同社では、緊急受注などに対応するための安全在庫の積み上げも進め、2月には在庫も含めた通常の運営に戻す予定である。