新年明けましておめでとうございます。2012年の年頭に当たり一言ご挨拶を申し上げます。
昨年3月の「東日本大震災」に加え「東電福島原発事故」の発生から一時は大混乱したわが国の経済環境は、「超円高問題」「エネルギー問題」「海外経済の下振れ問題」等の課題はあるものの落ち着きを見せており、成立した第1次・第2次及び本格的な第3次の補正予算の早期成立・執行により、被災地における遅れ気味の復旧・復興を促進し、一日も早い経済環境の好転を図ることが望まれます。
ところで昨年のわが国の経済は、年初より比較的堅調に推移しておりましたが、3月の「東日本大震災」と「東電福島事故」の発生により、サプライチェーンが寸断された産業界は大きな打撃を受け、また、「東電福島原発事故」に伴う「電力危機」も加わり、わが国の経済環境は、未曽有の危機に見舞われました。こうしたなかで被災地はもとより、いち早く復旧・復興計画を進めた産業界の努力により7月頃より立ち直りの気配を見せた景気は、この夏、日本全体に広がった「節電要請」も何とか乗り切り、その後は明るさも見え始めておりました。事実、11月に内閣府が発表した本年7―9期の実質GDP速報値は、前期比1・5%増で年率換算では6・0%増と4四半期振りにプラス成長を遂げました。
しかしながら直近の日銀の景気判断は、欧州の債務問題を大きなリスク要因と見て「景気は持ち直しの動きが続いているものの、海外経済の減速の影響などから、そのペースは緩やかになっている」とトーンダウンさせております。
こうしたなかで私どもの業界動向を見ますと、昨年前半の出荷状況は比較的堅調に推移しましたが、10月以降一部に鈍化傾向も見られる等厳しさが増してきております。私どもの会員企業においても下期の業績予想を下方修正する等厳しい対応を取っております。
これは欧州における債務問題や中国をはじめとする新興諸国の経済の低迷、さらにはタイにおける洪水問題等「海外経済の下振れ」に加え、高止まりしている「超円高問題」、今後の「エネルギー問題」などに起因しており、先行きの経済環境を見るとき不透明感は払拭できず、今後とも慎重に対応する必要があると考えております。
一方、先に政府においては、懸案であったTPP交渉に参加する旨決定し、各国との交渉に入ることとなりました。カナダ・メキシコも参加を表明するなど発展する環太平洋諸国の需要を取り込むためにも早期の協定参加が望まれます。さらに今後の経済環境を見ると、11年度の補正予算の早期執行や12年度予算の年度内成立等適切な経済運営が望まれるところです。
フルードパワー業界は「モノづくり」を支える重要な産業であり、今後とも大きな成長が期待されております。グローバル化への対応や地球温暖化対策としての「省エネ技術」「水圧技術」等の開発は喫緊の課題です。また、業界としては厳しい経済環境のなかでも健全な競争と協調のなかで共に発展していくことが望まれます。
いずれにいたしましても各需要業界の皆様方には更なるご支援、ご鞭撻をお願い申し上げ新年のご挨拶とさせていただきます。