新年あけましておめでとうございます。2012年を迎えて一言ご挨拶申し上げます。
わが国の経済状況は、全世界的な不況の影響から脱出する兆しが見えた矢先の東日本大震災で再び不透明感が増したようです。加えてギリシャに端を発する欧州の経済不安、米国の財政危機などの課題が次々に突き付けられ、世界経済は好況へ向けて駆け上がるという状況にはなっていません。
当工業会の統計を見ると、11年度上半期の国内販売高は約3582億円(前年同期比約18%増)と、昨年からは大きく改善しています。しかしながら、東日本大震災の影響や欧州経済危機などの現状をみれば手放しで喜べる状況にはないことは明白で、当工業会の各会員企業にとってもその経営の舵取りに一層の注意を払われておられることと拝察します。
このような状況下ではありますが、昨年の「計測展2011
TOKYO」は、初めてシステムコントロールフェア他、同時開催の関連展示会と連携して無料の相互入場を可能にし、新しい来場者の取り込みを図りました。
さらにサブテーマを「復興、そしてその先へ」と題して企画展示を拡大したことも好評を博し、放射線計測の展示はNHKの「おはよう日本」でも放映され、一般の関心も高まって集客は大きく伸びました。
結果、出展者は83社、小間数は333小間と、世界不況の影響を受けた09年と比較して20%以上増加し、来場者総数も約2万8000人、出展者を除く正味の来場者では約2万1000人と、盛況だった07年をも上回って過去最高を記録し「計測展2011
TOKYO」を成功裏に終えることができました。
加えて各イベントも、実行委員会各位の熱意と努力によって非常に質が高く、講演会、セミナーは多くの聴衆を集め、運営面も含めて来場者、出展者双方から高い評価をいただきました。さらに中国の業界団体との友好覚書の調印、韓国、台湾の友好団体との会合など、当工業会が国際的なリーダーシップも発揮した意義深い展示会でした。
本年の「計測展2012
OSAKA」は10月31日からグランキューブ大阪にて開催されますが、現在、計測展の将来的な方向性について鋭意検討を進めていますのでこれからの計測展にご期待下さい。
当工業会の会員企業の製品である「電気計測器」は、あらゆる工業分野の事業活動において必須の「マザーツール」です。わが国の製造業が、アジアの代表、リーダーとしてステップアップするために必須である競争力強化と先端技術開発において、その重要性はますます大きくなっています。
これからも、会員企業各位が視野を世界に広げて新製品、新技術の開発に邁進し、我が国の全ての製造業の競争力向上に貢献するためのサポートに徹することによって、各界の期待に応え、ひいてはわが国の科学技術の振興発展に貢献すべく活動してまいる所存です。
本年も、昨年同様に関係各位のご支援とご理解をお願い申し上げ、12年年頭の挨拶とさせていただきます。