PLC(プログラマブル・コントローラー)市場は、リーマンショック後の落ち込みから、徐々に回復傾向を見せ、日本電気制御機器工業会(NECA)の2010年度出荷額は1312億円(前年度比41・3%増)と大きく拡大した。国内外とも伸長したが、とくに中国を中心としたアジア市場向けが58%増となっている。11年度は、東日本大震災の影響が心配されたが、予想以上に回復が早かったことで、上期はさほど落ち込まなかったが、中国の金融引き締め、欧州経済の不振などから外需が伸び悩んでおり、下期の見通しに不透明感が出ている。半導体・液晶製造装置向けがとくに厳しい見通しになっているが、半面、工作機械や自動車製造関連、ビル制御、再生エネルギー関連は堅調な需要を維持している。
12年度は、こうした不透明感が前半は続くことが予想されるものの、後半は中国の金融緩和策や、新興国での投資拡大、国内の震災復興需要などから、5%前後の伸長が見込めそうだ。
PLCは、高速処理化と小型化、高機能化傾向が著しく進展している。同時に需要裾野の広がりからパソコンとの併用や、制御資産の継続的活用などから、プログラミング言語がシーケンス用言語であるラダーのほかに、IEC61131―3に基づいた国際標準に対応した言語が本格的な普及を迎えるものと思われる。また、機器組み込み用途も今後大きく広がりそうだ。
機械安全ニーズに応えてセーフティPLCも、工場以外での用途が増えて、市場は新たな発展期に入ることが予想され、期待が持てそうだ。