機械・装置の重要なインターフェイスを担う操作用スイッチ市場は、日本電気制御機器工業会(NECA)の出荷統計によると、2010年度はリーマンショック時から大きく回復し、前年比35・7%増の357億円となった。特に輸出は同40・7%増の87億円でアジアを中心とした需要の拡大が窺われる。
11年度の第1四半期は、震災により一時期物流が停滞したものの、その後需要は順調に回復し、国内66億円(同0・5%減)、輸出19億円(同12・9%減)、総額は85億円(同3・6%減)で、国内の需要は震災前の状況にほぼ戻りつつあるといえる。
操作用スイッチは、工作機械やロボット、自動車製造分野など産業分野から、アミューズメント機器や放送機器、セキュリティ機器など幅広い分野で使用されている。
機器全体の小型化に伴い軽薄短小・低背化が進み、操作感覚の向上や確実な切り替え性能など信頼性の向上、さらに安全性とデザイン性の両立などの改良が進んでいる。
照光式スイッチはLEDによる高輝度化が進み視認性、長寿命性、メンテナンスの効率化が進展している。シーソースイッチは、操作時の突入電流による接点やハウジング対策が進んでいる。トグルスイッチやスライドスイッチは、接触信頼性を高めると同時に長寿命化を実現している。
DIPスイッチは、端子ピッチ1ミリとハーフピッチよりさらに小型のタイプが伸長。さらに安全確保の観点で、非常停止押しボタンスイッチやフットスイッチが安定した市場を形成している。