インバーターは、節電対応、環境対応が求められる中で、これを大きく推進するものとして、期待を集めている。2010年度は中国を中心とした外需が牽引役となって大きく伸長、前年度比約36%増加し、693億円となっている。11年度もこの傾向は続くものと期待されており、日本電機工業会(JEMA)では同6・7%増の740億円の見通しとしている。中国市場の変調、欧州の金融不安などの懸念要素もあるが、インバーターの持つ省エネに貢献するという特徴は、むしろそういった不安要素を払拭する勢いが期待できる。12年度はBRICsなど新興国を中心に省エネ対応での需要が見込め、2桁の伸長も大いに期待できそうだ。
インバーターは、モーターなどの運転効率を向上させることで電力の有効活用を図れることから工場やビルの空調やエレベータ、クレーなどの巻上用途、さらには、ソーラー発電や風力発電など新エネルギー機器と一体となった用途が広がっている。
最近のインバーターは、性能の向上とともに誰でも扱える操作の簡便性や小型・軽量化、低騒音化、安全性、ネットワーク対応などがあげられる。さらに複雑で面倒なパラメーター設定を自動的に設定できるようにもなっている。
インバーターと組み合わせ使用するモーターも、永久磁石埋め込み形同期モーター(IPM)や表面永久磁石形同期モーター(SPM)が市場に投入され始めたことで、省エネ効果はさらに高まっている。
安全機能などの搭載でさらに使いやすさが増している。