内需型産業へ高い期待 自動認識機器

バーコード、RFID、バイオメトリクスなどの自動認識機器の2010年出荷金額は、日本自動認識システム協会(JAISA)の出荷統計によると、前年比1・7%増の2205億円であった。11年は同0・1%増の2207億円と横ばいを予測している。

製品分野別では、バーコードリーダが同6・7%減の414億円、バーコードプリンタが同4・6%減の359億円、バーコードサプライが同3・2%増の1000億円、RFIDが同2・7%増の349億円、バイオメトリクスが同26・3%増の309億円、ソフトウェアが同4・1%増の54億円となっている。

自動認識機器は、「省力・効率」に加え、「安心・安全」と「品質」に対する関心の高まりの中で着実に市場を拡大しているが、価格の低下などもあり、出荷台数の拡大に比べ、金額の伸びが伴っていない面があるようだ。

製造履歴を管理するトレーサビリティ化や、物流合理化につながる自動認識機器・システムは、景気動向に関係なく投資が拡大しており、また、トータルコストを削減する上でも自動認識機器の活用が有効との意識も高まっている。

バーコード関連製品では、FA分野での需要は当面なだらかな導入となるが、物流、小売り、食品関連、医療での堅調な需要が期待されている。RFIDでは、大型案件は見込めないが、着実に普及が進むと見られる。

自動認識システムは、需要裾野が広いことが大きな特徴であるが、国内の産業空洞化の影響も懸念されており、内需型産業の医薬品、食品、化粧品などへの期待も高い。

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