FA(産業)用パソコン・コンピュータは、信頼性の高さ、メンテナンス性の良さなど汎用パソコンとは異なる特性が、ユーザーの高い評価につながり、着実に市場を広げつつある。現在の市場規模は、FA(産業)用パソコンが250億円前後、パネルコンピュータが80億円前後と推定されているが、社会インフラ設備や連続稼働用途などを中心に裾野が広がっている。
これまでは国内市場を中心に展開してきたが、最近は海外市場でも引き合いが増えつつあるといわれ、需要増につながっている。海外、とくに中国、台湾などの新興国ではコスト面の対応も厳しいが、機能の絞り込みや部品の現地調達推進などで、競争力を維持していこうとしている。
FA用パソコンは、高温・多湿、油滴・水滴が飛び散るなどの悪条件下での使用といった耐環境面や、プレス機・多軸モーション制御などが近くにある際の耐振動面など過酷な現場でも、長期間安心して使えるのが、汎用パソコンなどとの大きな違いである。それだけでなく、長期間のサポートを受けられる体制も大きな特徴だ。産業機器や社会インフラ用途では納入後は長期間継続的に使用されるだけに、それに耐えうるバックアップ体制が重要だ。
製品の傾向は、小型・薄型・軽量化、処理スピードの高速化など、使いやすさと設置制約をなくすための開発が著しい。
熱対策、防塵対策、さらにRAS機能も充実し、システムの動作診断、異常の早期検出・復旧支援を行い、万一の異常発生時にも、業務への支障を最小限に食い止めることができる。