ものづくり現場の安全確保の観点から、安全対策機器市場がグローバル規模で拡大している。
日本電気制御機器工業会(NECA)がまとめた会員を中心とする安全対策機器の自主統計では、2009年度はリーマンショックの影響で約90億円まで減少したが、10年度は劇的に回復し、前年比71・8%増の約150億円と過去最高の出荷額となった。この傾向は世界的に見ても同様で、世界の市場規模は約1500億円と推定される。
従来、日本の機械安全対策は欧米に比べると遅れていたが、01年に厚生労働省から出された「機械の包括的な安全基準に関する指針」により、工場など製造業での安全対策が大きく進むようになった。さらに06年に労働安全衛生法が改正、リスクアセスメントと必要な安全対策措置が努力義務と定義付けされ、07年には機械のリスクアセスメントの具体的な指針が改正された。
一方、欧州の機械指令は、EN954―1からEN
ISO13849―1へ移行される予定で、欧州に輸出する機械・装置の安全制御回路は、ISO13849―1:2006への対応が求められる。
安全対策機器は、安全リレー、セフティドアスイッチ、セフティリミットスイッチ、非常停止用スイッチ、ソレノイド付き安全スイッチ、エリア/ラインセンサ、マットスイッチ、フットスイッチ、プログラマブル安全コントローラ、安全プラグなど多種多様で、最近ではハードウェアを中心としたメカニカル的要素から、ソフトウェアを含めた電子式の安全対策機器が増加している。