サーボモーターは、リーマンショックで大きく落ち込んだものの、回復も早く、2010年度は日本電機工業会(JEMA)の生産統計では、やく2・2倍の2066億円とV字回復を見せた。半導体・液晶製造装置、工作機械、射出成形機、ロボットなどの主力分野がすべて好調であった。
11年度もこの好調さを維持するものと期待されたが、東日本大震災の発生、中国市場の変調、欧州の金融不安などが一度に絡み、上期と下期でまったく異なる様相となっている。11年度は現状で上期のプラスを下期のマイナスで相殺され、微増で終わるという見方が広がっている。
しかし、この状況も12年は脱するという見方が広がっている。大きな需要を支えていた中国の金融引き締め策が緩み、再び設備投資が活発化することに加え、タイの洪水復興に伴う設備リニューアル、新興国での自動車生産投資の拡大などが見込まれている。
サーボモーターは主に、位置決め用途として使用されている。製品的には、高機能化、小型・軽量化、高速応答、高精度化、位置決め時間の短縮化などが進んでいるほか、ネットワーク化、モジュール化などがポイントとなっている。
サーボモーターを中心にしたモーションの高速化、高精度化は生産性と品質向上に直接つながるだけに、ユーザーの期待も高い。安全機能の充実、回転タイプに加え、リニアタイプの需要も増加しており、用途による使い分けも進んでいる。
モーター/アンプ一体型や、PLC機能搭載、マルチネットワーク対応など使いやすさを目指した取り組みも活発だ。