電力消費が大幅に少ないことから、環境負荷を減らすことに大きくつながるとして期待が高まっているLED(発光ダイオード)は、用途が急速に広がり、市場規模も拡大を続けている。今までは産業機器の表示用や民生機器のバックライトなどが主用途で市場を形成してきたが、ここ2、3年は照明用の電球や蛍光灯などからの置き換えが急拡大している。圧倒的な消費電力の少なさが支持されているもので、量産化に伴い価格も急速に低下しつつあることで、さらに需要増に拍車をかけている。
年平均伸び率は8%
電子情報技術産業協会(JEITA)はこのほど、注目を集めるLEDの現状と今後の動向をまとめた。
LEDの応用が急速に広がったのは、1996年に青色と白色のLED開発が大きなインパクトになった。白色LEDは、携帯電話から液晶テレビの光源としていまやすっかり定着し、今後は照明用光源として期待されている。
JEITAによると、世界のLEDの需要は、10年で1兆126億円となっており、15年に1兆5995億円、20年に2兆1068億円と年平均伸び率は8%で推移、10年間でほぼ2倍となる。品目別では照明向けが5945億円、車載向けが2233億円、大型液晶バックライト向けが5953億円などで大きな用途が予測されている。
数量では、10年の1018億個から20年には2966億個と約3倍となり、10年間の年平均伸び率は11%と2桁の需要増になる見通し。
LEDは、既存の製品に比べ、価格は高いものの、消費電力が約10分の1と低く、寿命も約10倍と長く、光への変換効率も高いことなどから、とくに照明機器、電気自動車などの車載用として今後も着実な用途拡大が見込まれている。
20年には照明機器の79%
照明機器用では、20年までの10年間で年平均76%の伸びを示して79億台となる。
照明機器に占めるLEDの比率も10年の0・3%から、15年に25%、20年に79%まで高まる見通し。
また、車載用LEDは10年の52億個から15年に129億個、20年に313億個となって、10年間で年率20%の伸びを示す。20年ではルームライト用が半分以上の高いウエイトを占めるが、伸び率ではフロントライト用が34%増、リアライト用が21%増、ルームライト用が18%増となる見込み。
その他、LEDの用途として、街路灯、携帯電話・モバイル機器、遊技機、信号機なども見込まれている。