昨年は東日本大震災など天災に加え、円高なども加わり激動の一年であった。当社は電力分野などインフラに絡む需要が多いので、6月頃まで緊急体制で震災復旧作業に関わる受注に対応した。7月頃からはほぼ従来の体制に戻り、11月には火力発電関連などの復興案件も出だし、緩やかながらも復興が進んでいるようだ。今年は復興需要が本格化するかもしれないので、即対応できる体制を整えておきたい。
電力分野は更新需要期に入っており、盤関係の需要に期待したい。重電分野は更新需要のほか、被災地を中心とした復興需要にも期待したい。
一方、近年注力している鉄道車両関係は、順調に推移している。運転台関連の高機能スイッチ類、床下制御機器、車側灯や標識灯などが中心だが、これまでは既存車両のリプレースがメインだったが、最近では新車両に採用されるケースが増えている。受注先も国内の各鉄道会社や車両メーカーのほか、北米や韓国など海外からの案件も舞い込んでおり、最も期待したい分野である。
当社の鉄道車両用製品は高品質で不良品がないことで、顧客から高い信頼と評価を得ている。今後は、既存車両用製品に加え、新規の車両にも対応する製品を品ぞろえし、海外の案件も含め早期に5億円規模に拡大させていきたい。
社内の生産体制については、さらなる効率化を図り生産コストを下げる体制を推進。特に成形作業については一層のコストダウンを目指し、外注から内製化を推進する。このため成型機導入プロジェクトを発足させ、まず樹脂成形の技術・知識をため込み、スイッチ類の成形につなげていく。
さらにカムスイッチなど主力スイッチのユニット部分については、人が介在しない自動機を導入する。こうした新生産体制で復興需要などに対応し、経常利益率20%を目指したい。