今2012年3月期は、東日本大震災の発生に伴う供給不安などの要素も重なり、6月は単月で過去最高の売り上げを記録するなど好調に推移していたが、その後は欧州の金融不安、中国の金融引き締めなどの影響を受け始めており、地域により売り上げに差は出ているが、通期ではほぼ当初の計画を達成できると見ている。
タイの洪水発生に伴う受配電需要として高圧遮断器の需要が10月頃から伸びており、今後はさらにブレーカーやマグネットスイッチなどの需要が出てくることが予想される。
今期は海外市場の開拓に積極的に取り組んでいるが、とくに成長の見込めるアジア、アセアンに重点を置いている。中国は中国ローカルメーカーの数が多いこともあり、価格競争になりがちであるが、アセアン地域ではローカルメーカーが少ないことから、過当競争に陥らず、当社の強みを発揮しやすいと考えている。海外販売は、基本的に富士電機の海外販売会社を活用する方針。富士電機では、昨年10月にインドネシアに販売会社を設立しており、べトナムも検討の1つ。販売会社の下で現地の代理店網を整備し、アセアン以外にもインドなど、アジア地域の市場開拓を進めたいと思っている。
製品も3年間ぐらいかけて、海外のローカル市場に合ったブレーカーやマグネットスイッチを開発してコストダウンを図り、地産地消を進めていく。
また、拡大が予想される新エネルギー用途を見込んで、DC用につながる各種製品の品ぞろえ充実にも取り組む。
生産面でも、現地化と円高、コストダウン対応として、中国・大連と常熟工場での部材の現地調達率を90%ぐらいにまで高めるとともに、リードタイム短縮へ、自動化を進め生産率を上げて人件費の上昇などに対応していく。