2012年3月期の当事業部の売り上げは現在のところ、前期実績(1564億円)を上回るのは非常に厳しいと見ている。上期はサーボモータが東日本大震災に伴う需要増などで前年同期比10%増と堅調に拡大した。しかしその後、中国の金融引き締めや欧州の経済不況などが絡んで、昨年8月を底にして横ばい状態が続いている。タイの洪水に伴う機械設備の買い替え需要で多少上向きにはなっているが、目標達成は難しい。
今後の見通しを楽観的に見れば、東北やタイの復興需要、自動車の増産とスマートフォン市場の拡大による半導体需要の増加、及びこれと連動した半導体メーカーの投資再開に繋がることが期待できる。中国の金融引き締め策が緩むことも重要だ。
円高の進行とレアアースの高騰は収益面に影響が出ており、レアアースを使用しない設計構造品の開発を進めるとともに、サーボモータの価格を昨年12月から5~10%上げている。
また、中国・瀋陽工場の生産能力を拡大するために、第2工場の建設にも着手しており、今年夏頃には生産を開始し、13年度には月産10万台体制を確立したい。
サーボモータの新製品として、∑―Vminiを発売したが、小型化要求に応え、ネットワーク上で同期が取れるなどの特徴から、現在のサーボモータユーザーのほかにも拡大を期待している。さらに、統合マシンコントローラMP3200もこのほど発売した。
一方、パワーコンディショナも、家庭用に10kWタイプを追加、5kW、100kWと合わせ、さらにバリエーションが充実してきている。規格化されていることもあり、競争力が高いのも強みとなっている。
今年は後半から回復基調に入ると見ており、中期経営計画の最終年度での目標達成に向けて全力で取り組みたい。