昨年は、東日本大震災の発生、原発事故など大きな問題が起こり、混沌とした社会情勢であった。このような中で、当社の10月期決算は売上高目標43億円を上回り47億円を達成できた。また、利益も当初予想より良かった。端子台、インターフェイス、ターミナルボックス、トランスが伸長した。リーマンショックから立ち直りつつあるといえる。
大震災、欧州の金融不安、米国財政赤字、円高、空洞化などお客様や当社を取り巻く環境は厳しい状況にあったが、当社の「常に目標を達成する信念で、メイドインジャパンを貫きながら自力で取り組む」姿勢が評価されたのだと思う。大震災後に一時部材が入らないなど聞いていたが、当社は資材を先行手配し即納体制を維持できた。国内生産と部材先行手配により在庫を切らさずに済み、お客様にご迷惑をお掛けせずに納品できた。
今年の景気見通しは不透明である。円高で企業が海外に生産をシフトし空洞化がもっと進むと見ている。半面、海外メーカーは日本市場に進出しやすくなっている。復興需要は期待できるものの、制御機器業界にとり、コスト対策が最大の課題になろう。
こうした状況の中で、今36期売上高は前期比7%増加の50億円超えを目標にしている。利益も増やす。
端子台市場は海外メーカー、とくに中国、韓国メーカーとの競合が強まる。それに対抗するため、“自力"を強化し、金型製作から組み立て、検査、出荷までの独自の一貫生産体制を強みにしたい。価格競争は脅威ではあるが時の流れであり、その動向を見極めながら、自社で専用機を開発し価格競争に勝てる体制をさらに整える。良い製品を少しでも安く早く届けることで、大震災の復興のお役に立ちたい。
新製品も意欲的に発売し“技術のTOGI"をアピールする。