昨年は当社にとってひとつの区切りである創業60周年の年であったが、3月の東日本大震災をはじめ、欧州の経済不安、タイの大洪水、さらには円高なども加わり、企業にとってこうした環境変化にどうやって対応していくかを問われた1年であった。
前半は大震災の影響が若干あって出遅れたが、後半回復して前年同期を少し上回ってきており、手応えを感じている。
とくに昨年10月からは他メーカーから移管を受けたスイッチの一部売り上げが加わってきていることから、2012年3月期の売り上げは前年度比10%増ぐらいになりそうだ。
今年から61年目という新たなスタートの年になるが、オンリーワン企業として、社員を大切にする家族的な経営を継続していくとともに、企業規模よりは企業内容を充実していくことに重点を置いた取り組みを進めていく。
このため、他社と棲み分けしながら、ニッチ市場でもスピードある行動で成長を図り、企業価値を高めていきたい。
同時に社員力を向上させるためには、一人一人の社員がバッターボックスに立って活躍することが重要で、立たなければ活躍の場も生まれないことになる。そこで日頃から社員には“バッターボックスに立とう"と言っており、個々の社員がこうした場に立つことで、スキルの向上にもつながってくる。
企業の利益の源泉は、お客さんのところに行って話しを聞き、それを社内に提案していくことから生まれるわけで、この動きが非常に大切だと思う。
今年も付加価値経営を展開して売り上げ増加を図り、関西での拠点開設も今年か来年には検討していきたい。
新製品もいくつか種まきを予定しており、スイッチのコア技術にさらに磨きをかけながら、飛躍を図る。