昨年は、東日本大震災、原発事故、海外では欧米の金融危機や財政赤字、極端な円高、タイ洪水など社会問題化する大きな変動が余りにも多く発生した。
当社業績も少なからずその影響に左右された。大震災までは業績が順調に推移していたが、欧米の景気後退もあって8月から減少し、12月期は前年度並みに止どまりそうである。ただ、基板実装事業が医療機器分野で比較的良かった。DIPスイッチも販売数量は落ち込んでいない。
今年の景気見通しは難しい。欧米の金融危機が中国やアジアに波及し景気鈍化を招くなど計り知れない要因が多い。大震災復興需要を考慮しても前半は期待できず、後半に上向くのではないか。
こうした状況下で、当社は「蓄エネ・省エネ・創エネ」をキーワードに、新規のニッチ市場を開拓する方針である。セットメーカー、部品メーカー、金型メーカーが海外生産にシフトしており、国内に残るニッチ市場を重視せざるを得ない。また、大震災の復興投資が本格化することから、この分野も期待できる。
当社製品の操作パネル、DIPスイッチなどを搭載したアセンブリーの受注に注力する。従来からの給湯器向けアセンブリーは、被災地で仮設住宅から住宅建設に移るので、受注増加を見込んでいる。また、医療分野、裾野の広いソーラーや蓄電池などの再生可能エネルギー分野、節電対策分野、介護分野での営業展開を強化する。
新製品の開発と同時に、販売業務提携も投資対効果から進める方針である。当社は多数の大手企業と取引しており、当社の販売チャネルに乗せられる製品は積極的に発掘していきたい。
輸出は、円高で推移すると思うので厳しい。内需関連に比重を置くことになる。今年12月期は積極的にニッチ市場に営業攻勢をかけ、売り上げ増加につなげていく。