“激動”との形容詞に違和感がなかった2011年、幸運にも被災地(福島県白河市)にあった当社工場と多くの東北地方の協力工場さんも、損害はあるもののほとんど致命的なダメージには至らず、人的被害は皆無であった。震災で一時期に売り上げは落ちたが、通年では10%の増収となり、利益は震災被害で特別損失が出て計画・予想は下回ったが、売り上げの3割強を輸出に依存しつつも、円高環境下としては満足の出来る業績を確保することができた。
12年は、力強く大震災復興の新しい年を迎えたいと誰しもが思う年の初めであるが、残念ながら世界的不況感の中で迎えることになっている。しかし経済環境の変化をビジネスチャンスととらえ、昨年販売を開始したロータリーエンコーダ(φ38、φ18、φ7シリーズ)3機種と、歯車センサ「PA―M12シリーズ」の中核4シリーズにより、海外市場を含め、新たな顧客層の開拓に注力していく。
また、販売促進のための販売キャンペーンを継続して展開するとともに、販売意欲の高い商社との結びつきを強めるようにしていく。その一環として、1月18日から開催のインターネプコンには、商社と共同出展し、新製品を中心にアピールする。
さらに、日本で生き残る開発技術を推力とする製造企業として、親会社アバゴの電子半導体・光学・通信などの要素技術を、ネミコンで長年培ってきたアプリケーション技術に最大限取り入れ、活用し、機能安全をキーワードとしながら、顧客と市場に切望される、高分解能および高機能形エンコーダとセンサの新技術製品を投入し、新しい市場の創造を推進する。
ひいてはグローバル企業の日本拠点として、新しい機能・役割をしっかりと担いつつ、人材育成に力を入れ、将来へつながる組織と事業を構築していきたい。