今年は、「プロセスへの徹底的なこだわり」をテーマに、工程管理、労務管理などをしっかりと実践し、会社の中身を固めていく。これにより、ものづくり企業としての仕組みを確立し、品質を高め、納期を守ることもできる。製品戦略としては、海外市場の展開、新製品の開発に力を入れる。
11年度上期は、大震災の復興需要などがあり、変圧器部門が大きく伸びたが、エンジニアリング部門は配電盤分野、印刷制御分野が競争激化などで苦戦し、売り上げを減らした。
機器部門は、大震災に伴う生産調整でエレベーターセンサが計画を下回ったが、空間光伝送装置などが好調で、全体では微増となった。部門によって浮き沈みがあるが、結果として3部門の売り上げバランスはほぼ取れた。
海外では、中国の子会社である南京華洋電気の受配電盤、エレベーターセンサなどが好調に推移して売り上げが大幅に伸長、会社全体の利益増加にも寄与している。
今年の新製品開発については、四国総合研究所とライセンス契約した電波無線を用いたオンデマンド・モニタリング技術を活用する。空間光伝送装置分野に電波無線分野を加えることで、より広い応用製品を展開できる。工場管理、ビル管理、放射線計測などの情報を無線でパソコンに取り込んで監視・制御するシステムを構築していく。
事業体制としては、各部門の機能の統合を進め、営業拠点については、それぞれの拠点を統括する地区営業部長を置いて拠点ごとにまとめて営業を進めていく方針だ。
12年度の景気は不透明であるが、ストレートに回復するかどうかは、企業の努力次第。当社は顧客のリクエストに応える受注生産が主体なので、生産の効率性に課題があるが、急に受注が増えても対応できる体制を整え、「バランスある成長」を遂げるようにする。