昨年は、東日本大震災に始まり、節電対策、EU圏の金融危機、米国の財政赤字、急激な円高、タイの洪水など、日本企業にとって環境変化の激しい一年であった。
当社も大震災で先行きを心配したが、部品調達を順調に行うことができ、お客様から増やしていただいた注文も大幅な納期遅れを出さずに済んだ。また、タイ洪水では特別需要も出てきた。
輸出は中国、アジア、南米が増加した。ギリシャ危機を発端に金融不安の欧州市場も落ち込んでいる。円高為替による買い控えの影響は大きい。期間を決めて販売キャンペーンを実施するなどの対策を講じている。
今年は景気見通しが非常に難しい一年になりそうであるが、当社としては、前半は現状維持で推移し後半から上向くとの想定で計画している。体質改善はすでに終えており、新製品開発、営業に注力する。
新製品は、昨年にディジタル調節計SRS10Aシリーズ、アナログチック調節計AR18シリーズ、電力モニタSDP16シリーズを発売したが、今後、業績に貢献する。電力モニタは温調やサイリスタのコア技術をもとに開発し、節電対策機器として積極的に販売している。インターネット販売も始めたが、携帯型電力モニタは学校や研究所などからの引き合いも増えており大いに期待したい。今年も新製品を引き続き発売する。
国内では、食品、農業関係の市場を積極的に開拓する。
大震災の復興投資が本格的に始まる。また、地震津波の対策で被災県ばかりでなく全国規模で港湾整備が行われる。温度調節計などでインフラ関連の需要増加が見込める。農業では農園芸施設、植物工場などでニーズが高まる。
輸出は、中国を中心に南米などの市場を開拓する計画である。後半の設備投資に期待し拡販に努めていく。