リーマンショック以来、見通しが不透明ということで、単年度ごとに計画を立ててきたが、今年は久しぶりに中期3カ年計画を立てて、長期的に次のステップを考え、海外展開を含めて、従来より社内体質を強化していく。2012年度はフットスイッチ、医療関係などの付加価値の高い製品に力を入れ、売り上げ増を目指す。既存マーケットの成長が見込めない厳しい環境の中、逆に前に進むには絶好の年ともいえる。世の中の変化も速くなっているが、中堅企業には小回りが利くというメリットがあり、世の中の変化以上にスピードを速めて、新製品を次々と生み出す予定だ。
春に向けて、開発時期を前倒しし、工作機械、医療分野向けなどの新製品をいくつか発売する。昨年発売したコインメック・ビルバリ用インターフェイス基板のように、ミディアムマーケットで、取引先からそれほどコストダウンが要求されないような製品も考えていく。
社内の体質強化策としては、「顧客との接し方・売り方」「モノの作り方」を工夫する。既存の顧客から要望を細かく聞き出し、新しい市場を広げていくことで、売り上げが伸ばせる。コスト削減など自分達の足元を見直すことで、不況もフォローの風になっていく。また、製品の強みと弱みを考え、利益の出る分野に特に力を入れる。
海外については、円高で国内企業が海外に出て行くので、国内を広げながら海外の顧客をフォローする。毎回出展している中国・上海の展示会には今年も出展するが、中国で名前が売れてきて、決まった案件も出てきた。中国には社員が出張で頻繁に出掛けているが、今後は常駐も検討する。
社員は、情報をいかに売り上げに結びつけるかというアンテナと、スピード感を身につけて、ポジティブ志向で前を向いて進んでいってもらいたい。