昨年は、3月11日の東日本大震災発生に始まり、原発事故、欧州の債務危機、米国の財政赤字、そして円高、タイ洪水など一連の出来事が多発し、忘れられない一年となった。特に大震災、政府の節電要請の影響が推定できず、一時は混沌として先行き見通しを不透明にした。
このような中で、当社7月期決算は計画通りの数値を上げることができた。新規顧客も増えた。これまでは、アミューズメント向けのソレノイドの販売が多かったが、業種拡大の営業を強化した結果、自動販売機や家電機器向けなど新規開拓により売り上げが増加した。センサー、オートロックブレーカーも比較的順調に推移した。
顧客の業種が幅広くなり、特定業種への偏りがなくなったことで、景気変動に左右されない企業体質が徐々に出来上がりつつある。
今年は、安定した世の中になって欲しいと願っているが、景気の先行きは読み難い。国内は大震災の復興投資が出て来ようが、欧州の債務危機が長引くようだと新興国の経済成長が鈍化する。
それらを勘案すると、製造業の経営環境は厳しいかもしれないが、当社の今7月期は、2桁アップの売り上げを目標に取り組んでいる。
ソレノイドの市場は、応用技術を含めるとまだまだ潜在需要がある。産業用、業務用、民生用、さらには介護分野の顧客の獲得に注力する。種蒔きをしてきたソレノイドと周辺関連製品の商談がきており、今年は売り上げにつながる。また、巻線技術を使った電磁部品で震災復興関連向けに受注増加が期待できる。
円高も、より一層業績にプラス作用するよう展開する。これまでも中国工場で量産品などを主体に生産し、日本の工場で検査、販売しているが、その利点をさらに生かす。
いずれにしても、いろいろな業種の顧客獲得が今年のテーマである。