当社の中期計画は、昨年から第3段階である「大河」がスタートした。大河では「力を蓄えておくこと」、「新分野への注力」、「外作の拡大」を掲げているが、2年目に当たる今年はこれらの課題を、より現実化し具体的なものにしていきたい。
「力を蓄えておくこと」では、厳しい状況が続いてもメーカーとして基本方針を変えることなく、高品質の製品をより安価で提供し、顧客満足の向上に努めるため、メーカーとしての様々な力を蓄えていくことにある。これはメーカーとして基本的姿勢でもあるが、この理念を忘れることなく日々実践していきたい。
「新分野への注力」では、非接触給電システムやパワエレ関連などで具体的な成果が表れてきた。
当社の非接触給電システムは、電磁誘導作用により、1次側コイルと2次側コイル間を空中で磁気的に結合し、電力を伝送するもので、安全で水や埃に強くメンテナンスが楽である。また、1次側と2次側の位置関係に自由度があり、床や天井への設置、壁埋め込みも可能である。すでにビルの窓清掃や搬送機分野で具体的な案件が動いており、今夏までにはある程度の事業の形にしたい。
パワエレ関連では、家庭用やビル・マンション向け太陽光発電用のパワーコンディショナへの搭載が詰めの段階に入っている。このリアクトルは次世代のリアクトルとして期待できる。また、スマートハウス向け「系統連携トランス」の案件も量産間近である。
こうした製品は、当社のような産業用製品を開発してきたメーカーのノウハウと技術が必要であり、当社としても方向性に間違いはないと考えている。
一方、従来から注力してきたアミューズメント関係なども順当に推移しており、今年はこれらの分野に新規事業を加え、「大河」を充実させていきたい。