昨年は東日本大震災が発生し、原発事故が起こるなど大変な一年であった。今年はぜひ早い復興を願いたい。
当社は、リーマンショックに端を発した世界同時不況で業績が悪化したが、一昨年は持ち直し、昨年初めまで順調に推移していた。その過程で大震災が起こり、一時は先行き不安視したが、トランスの材料を先行手配し納期面でお客様に迷惑をかけずに済んだ。
こうした状況下で、12月期業績は前期並みを確保できた見込みである。6月までは節電対策でトランスの受注が増え、そののち低下したが、10月以降は昨年よりも多い受注量で推移している。
今年の景気見通しは、悪いと思う。先行き読みきれない状況が続きそうである。大震災復興投資は確かにあるが、消費税問題が浮上するなど一般消費者の購買意欲が冷え込むかもしれない。年間貿易収支も赤字である。為替も引き続き円高で推移する。近年は景気変動の波長が短く、長期予測ができなくなった。それだけに、単年度を重視して経営を展開する。
当社は、業績の底であった2009年を基準に改革を実行し採算点を引き下げたことにより、企業体質を強化できた。
今12月期は、売り上げを前期より増やし、ピーク時に近付ける計画である。連続的な改善・改革も実行していく。
営業部門は、震災復興関連以外に、医療機器、計測器、産業機械、工作機械などの業種に的を絞り販売攻勢をかけたい。また、営業の一人当たりの生産性をさらに向上させる。
製造部門では品質とコスト対策を徹底する。鉄や銅など材料価格が円高にもかかわらず高い。中国や韓国からかなり安い鉄心の売り込みがあるが、当社のトランスは産業用なので品質を低下させてまで販売することはできない。製造部門のコスト削減対策はお客様の満足度向上につながる。