今年は、電力の買取制度が本格化する見込みだが、この買取制度が盛り込まれた政府の「エネルギー需給安定行動計画」の中の具体的なアクションプランでは、電力システムの改革や再生可能エネルギーの導入加速、省エネルギーの推進が重点課題となっている。配電盤業界では、このアクションプランを推進することで多くのビジネスチャンスが生まれてくると予想しており、エネルギー改革に期待する声が高まっている。 政府は、昨年11月1日に開催されたエネルギー・環境会議で、エネルギー需給安定行動計画を取りまとめた。これを受け経済産業省では、節電要請された需要家が節電目標を達成したい場合、自社や子会社など別の地域にある自家発電システムを活用し、節電要請を行っている電力会社に対し自家発電余剰電力の買取りを依頼するという電力の買取制度を進めている。
この買取制度では、節電要請を行っている電力会社は、別の地域にある自家発電の余剰電力を買取ることで、需要家が買取り分を節電目標達成の節電分にカウントすることも可能としている。
さらに、政府ではこの行動計画に伴い「エネルギー規制・制度改革アクションプラン」を作成した。
同プランでは、(1)電力システムの改革(2)再生可能エネルギーの導入加速(供給構造改革)(3)省エネルギーの推進(需要構造改革)の3つを重点課題として特定した。
配電盤業界では、このアクションプランをビジネスチャンスとして捉えており、期待する声が高まっている。
特に電力システムの改革では卸電気事業の活性化、再生可能エネルギーの導入加速と省エネルギーの推進では、電気の需要ピーク抑制として省エネ規制の徹底と強化や、熱エネルギーの有効利用などをビジネスポイントとして挙げている。
例えば、特別高圧分野や高圧分野へのスマートメーター導入により、総電力の80%がスマートメーターでの管理が可能となるほか、HEMS、BEMSなどとスマートメーターとの連携による省エネの推進が考えられる。
さらに、テーマ別では「省エネ」に加え、「創エネ」、「蓄エネ」などの個別テーマがクローズアップされているほか、これらに加え「エネルギーの見える化」によるさらなる効率化も見込める。政府が推進するこうしたエネルギー改革に期待したい。